関西電力イノベーション推進本部の空間情報を活用した新規事業探索を、アナログメーター解析とEV充電器の適地選定のMVP開発で支援
その他 2026年10月

関西電力イノベーション推進本部の空間情報を活用した新規事業探索を、アナログメーター解析とEV充電器の適地選定のMVP開発で支援

Overview

関西電力イノベーション推進本部は、AIやロボティクス、空間情報を活用した新規事業の探索に取り組んでいます。顧客課題やニーズに関する仮説を具体的に検証するため、アナログメーター解析とEV充電器の適地選定という2つのMVP開発をMojiに依頼しました。担当のお二人に、依頼の背景やプロジェクトの進め方、MVPを通じて得られた気づき、今後の構想について伺いました。

事例概要

項目

内容

社名

関西電力株式会社

部署

イノベーション推進本部 AI・ロボティクス事業創出グループ

従業員数

8,336名(2026年3月末時点)

プロジェクト

空間情報を活用した新規事業の探索に向けた、アナログメーター解析とEV充電器の適地選定のMVP開発(事業探索・技術検証)

インタビュイー

同グループ 高元さん・関さん

期間

数ヶ月

課題

  • 事業探索の初期段階で、顧客課題やニーズに関する仮説を具体的な形で検証するためのMVPが必要だった
  • 事業探索をスピーディーに進めるため、社内の開発リソースに加えて、外部パートナーの開発力や知見を活用する必要があった

ソリューションポイント

  • 顧客課題・ニーズや技術的な実現可能性を検証するMVPとして、アナログメーター解析とEV充電器の適地選定の2件を開発
  • 要件が固まり切っていない事業探索の初期段階から、対話を重ねながらMVPの仕様を具体化
  • 開発したMVPを展示会などで紹介し、顧客との対話やニーズ検証に活用

本文

新規事業を探索するチームが、実物のソリューションを必要とした理由

聞き手:はじめに、チームの成り立ちと、今回のプロジェクトの背景を教えてください。

高元さん: 私たちのチームは、2025年7月よりAIやロボティクスを活用した新規事業の検討を進めてきました。その後、2026年4月に公表した関西電力グループ経営計画2026を受けて現在の組織(AI・ロボティクス事業創出グループ)に至ったところです。現組織では複数の取り組みを進めていますが、その一つとして、空間情報を活用した新規事業を検討しています。

現時点では、どのような顧客課題があり、そこにどのような事業機会があるのかを探索している段階です。ただ、アイデアだけをもとにお話ししても、具体的な課題やニーズまで掘り下げるのは難しいと感じていました。

そこで、まず仮説をMVPとして具体的な形にし、それを元にお客さまと対話することで、課題やニーズの解像度を高めたいと考え、Mojiさんに共同開発を依頼させていただきました。

今回取り組んだのは2つです。1つ目がアナログメーターの解析、2つ目がEV充電器の適地選定です。

この2つは、それぞれ出発点が異なります。EV充電器の適地選定は、現場で認識されていた課題を起点に、その解決方法を検討する中で開発しました。一方、アナログメーター解析は、インフラ業や製造業のみなさまとの対話を踏まえて、私ども自身で課題やニーズの仮説を立て、その検証を目的として開発したものです。

仮説をMVPとして形にすることで、お客さまとの対話を通じて課題やニーズを検証するとともに、技術的にどこまで実現できるのかを確認しています。

要件が固まっていない探索初期から、対話を通じて具体化する

聞き手:今回のプロジェクトの進め方について、良かった点と、もう少しこうできたという点を教えてください。

高元さん: 良かったと感じているのは、要件定義の段階から一緒に考えていただけたことです。

私たちは、お客さまにどのようなニーズがあるのかを探索しながら進めていたため、抽象度の高い構想は存在する一方で、具体的な仕様への落とし込みができていたわけではありませんでした。そうした状態から、対話を重ねながらアイデアを具体的な仕様に落とし込んでいただけたことが、とてもありがたかったです。 特に、Mojiのみなさまなから積極的なご提案をいただき、仕様を具体化していくことができました。

関さん: 当時、弊社のエンジニアリングリソースのみで短期間に開発することが難しく、外部リソースを活用しながら、どのように共同開発していくかを模索していました。

弊社は原則として技術内製化を目指しており、エンジニアの増員を進めている一方で、時々の開発量にボラティリティがあることから、すべてを直営で内製化することには限界があると認識しています。そのため、外部パートナーの専門性を活用しながら、弊社のエンジニアがより深く関与する開発プロセスを確立し、技術やノウハウを蓄積していけるような開発体制をつくっていきたいと考えています。

競争力の源泉となる技術は社内に蓄積し、外部の専門性も活用する

聞き手:今後、開発パートナーとどのような形で進めるのが理想か、イメージはありますか。

関さん: 現時点では、いくつかの形があると考えています。

これから取り組むAI・ITを活用した新規事業では、事業の競争力の源泉となる技術やノウハウについては、社内に蓄積していくことが重要だと考えています。一方で、外部パートナーが強みを持つ領域では、その専門性や開発力を積極的に活用していきたいと思っています。

そのため、今後は、社内に蓄積すべき技術と外部パートナーの専門性を活用する領域とを見極めながら、パートナーと共に技術力を高めていく形の協業、特定領域の開発をお願いする形の協業、といった具合に、目的に応じた協業の形をつくっていくことになると思います。

2つのMVPを通じて見えてきた、次の事業探索

聞き手:今回の中心だった2件について、今後どうしていくのか、開示できる範囲で教えてください。

高元さん: 適地選定について、今回はEV充電器をテーマとしましたが、開発したツールに搭載されている機能、例えば、ビジネスの要件を満足する場所を探索・選定する機能、AIを用いた最適化機能などは、さまざまなビジネスにおいてご活用いただける共通技術と認識しています。実際、施設管理を行う関係会社等へのヒアリングでは、とある事業における課題解決やニーズの存在を確認しています。引き続き、事業機会があるのかを見極めていきたいと考えています。

アナログメーター解析については、製造業のみなさまから一定の反響を確認しています。また、さまざまな業種において、設備の定期巡回や点検を効率化できないかというニーズが見え始めています。

私たちはロボットやドローンなどの技術検証も進めているため、アナログメーター解析のような画像解析技術と、現場を巡回してアナログメーター画像を取得する技術を組み合わせることも検討しています。

聞き手:今回のMVPから、さらに広い展開も考えられそうですね。

高元さん: そうですね。まだ構想段階ですが、警備や、高所・広域・危険箇所など、人による確認の負荷が大きい領域では、AIやロボティクスを活用できる余地があると考えています。

現場の空間情報を継続的に取得し、AIで必要な情報を抽出・分析することで、人がすべての場所を確認するのではなく、優先対応が必要な場所を効率的に把握できるようにする。 そうした形で、さまざまな現場のモニタリングを効率化・高度化するソリューションへ発展させていければと考えています。

関さん: 実際に、現場からもそうしたニーズはあります。例えば山間部にある設備では、時間が経つと樹木が巻き付くなど、周辺環境が変化することがあります。現在は定期巡回を起点に対応することが基本ですが、巡回頻度を高めることには限界があり、すべての設備を人が常時確認することは現実的ではありません。こうした課題に対して、AIやロボティクス、空間情報を活用できる可能性があると考えています。

聞き手:本日は貴重なお話をありがとうございました。

Client

関西電力株式会社

その他

2026年10月

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