API・MCP・A2Aの違いとは?AIエージェントを接続する仕組みやポイントを分かりやすく解説

API・MCP・A2Aの違いとは?AIエージェントを接続する仕組みやポイントを分かりやすく解説

API、MCPの違いって?A2Aは?とふと聞かれた際に少しややこしいと思い、この記事を書きました。

いずれもシステムやAIを連携させる技術です。

一言で違いを説明するなら「接続対象と任せる範囲が異なる」が最もシンプルです。

この3つはどれか1つ選んで実行するという並列関係ではありません。

MCPサーバーが既存のAPIを呼び出すこともあれば、A2Aで仕事を依頼されたAIエージェントがMCP経由で外部ツールを使うこともあります。

この記事では、API・MCP・A2Aの概念、違いと関係性をAIエージェントを使った具体例とともに解説します。

API・MCP・A2Aとは?違いを一覧で比較

APIは、システムが持つ機能やデータを外部から呼び出すためのインターフェースです。(例:「 こういう形式でお願いしてくれたら、この情報や機能を返す」という窓口)

MCPは、AIアプリケーションやAIエージェントが、外部のツールやデータを利用するための接続方法を標準化します。
言い換えると、外部システムとの接続を行うためのメタな共通ルールです。MCPの公式ドキュメントでも、AIアプリケーションをファイル、データベース、検索ツールなどの外部システムにつなぐためのオープンな標準と説明されています。Model Context Protocol公式ドキュメント

A2Aは、独立したAIエージェント同士が自律的に連携・通信を行うため標準規格です。A2Aの公式仕様では、異なる仕組みで作られたAIエージェントが互いの能力を発見し、共同タスクを管理しながら情報を交換するための標準として定義されています。A2A Protocol Specification

API・MCP・A2Aの違いは、「誰が誰に対して、何を依頼する仕組みなのか」で整理すると理解しやすくなります。

比較項目

API

MCP

A2A

主な目的

システム間で機能やデータをやり取りする

AIとツールやデータを接続する

AIエージェント同士を連携させる

主な接続相手

システムやアプリケーション

AIとDB、SaaS、API、ファイルなど

独立したAIエージェント

呼び出す対象

あらかじめ決められた機能

AIが利用できるToolやResource

相手エージェントが持つ能力

指示の粒度

実行する処理を具体的に指定する

AIが使える機能や情報を提供する

達成してほしい仕事を依頼する

接続相手の自律性

基本的にない

接続先は主にツールやデータ

相手エージェントが実行方法を判断する

AI専用か

AI専用ではない

主にAIアプリケーション向け

AIエージェント向け

この違いを短く表すと、APIは「機能を呼び出す仕組み」、MCPは「AIが機能やデータを使うための共通規格」、A2Aは「AIエージェント同士が仕事を依頼するための共通規格」です。

A2A・MCP・APIが組み合わさる仕組み

前提として、API・MCP・A2Aはどれか一つが他を置き換えるものではありません。

複数のAIエージェントと社内外のシステムを連携させる場合、それぞれが異なる役割を担います。

具体例として、営業担当者がAIに次のように依頼する場面を考えます。

A社への次回提案に向けて、過去の商談内容と公開情報を調べ、提案の方向性を整理してください。

この依頼を受けた営業Agentが、企業調査を専門とする調査Agentへ仕事を任せ、調査Agentが顧客管理システムや社内ファイル、Web検索を利用する構成です。

その際にA2A・MCP・APIがどこでどのように使われているかを整理してみました。

A2Aで調査Agentへ企業調査を任せる

営業担当者から依頼を受けた営業Agentは、A2Aを使って調査Agentへ次のように依頼します。

A社の過去の商談内容と最新の公開情報を調査し、次回提案で扱うべき課題と提案の方向性を整理してください。

営業Agentは、どのAPIを何回呼び出すか、どの順番で情報を検索するかまでは指定しません。

依頼を受けた調査Agentが、必要な情報と調査方法を判断します。

A2Aは、このように独立したAIエージェント同士で、仕事の依頼、進捗、調査結果などを受け渡す場面で使われます。

MCPで社内外のToolを利用する

調査Agentは、企業調査に必要な情報を集めるため、MCPを通じて複数のToolを利用します。

たとえば、次のようなToolです。

  • Salesforceから過去の商談履歴を取得する
  • Google Driveから過去の提案書や議事録を検索する
  • Web検索から企業のニュースや公開情報を調べる

MCPサーバーは、AIエージェントが利用できるToolと、それぞれに必要な入力項目を共通の形式で提示します。

調査Agentはその情報を確認し、「A社の商談履歴を取得する」「A社に関連する提案資料を検索する」といったToolを選択します。

Salesforce、Google Drive、検索サービスごとに異なる接続方法を調査Agentへ直接組み込むのではなく、MCPを介して利用できる形に揃える構成です。

APIで各サービスの具体的な機能を呼び出す

MCPサーバーの先では、各サービスのAPIが実際のデータ取得や検索処理を行います。

例えば、Salesforceから情報を取得する場合は、顧客IDなどを指定して商談履歴を取得します。Google Driveでは、企業名や案件名を検索条件として、関連する提案書や議事録を探します。

各APIから返された情報は、MCPサーバーを通じて調査Agentへ渡されます。

調査Agentは集めた情報を整理し、営業Agentへ調査結果を返すと言う流れになります。

この構成における役割は、次のように分けられます。

  • A2A:営業Agentが調査Agentへ企業調査を任せる
  • MCP:調査Agentが顧客管理、社内ファイル、Web検索のToolを利用する
  • API:SalesforceやGoogle Driveなどの具体的な機能を実行する

ただし、「A2A → MCP → API」は、すべてのAIシステムに共通する固定的な階層ではありません。

営業Agentが直接Salesforce APIを呼び出す構成もあれば、一つのAIエージェントがMCP経由で複数のToolを使い、調査から提案作成まで行う構成もあります。

複数の専門Agentへ仕事を分担させる必要がある場合はA2A、AIから複数のToolを共通の方法で利用したい場合はMCP、決められたシステムの機能を直接呼び出す場合はAPIが選択肢になります。

MCPやA2Aを導入する前に整理すべき4ポイント

MCPやA2Aは、AIエージェントの連携に必ず必要な技術ではありません。

一つのAIエージェントから一つのシステムを利用するだけであれば、既存APIとの直接連携で要件を満たせることがあります。

接続先やAIエージェントの数が増えるほどMCPやA2Aを利用する効果は大きくなりますが、認証、権限管理、監視など、設計すべき範囲も広がります。

採用する技術を決める前に、以下4点を確認することをオススメします。

1.既存APIとの直接連携で実現できないか

最初に確認したいのは、MCPを使わなければ解決できない課題があるかどうかです。

たとえば、一つのAIアプリケーションからSalesforceの商談履歴を取得するだけなら、Salesforce APIを直接呼び出す構成でも実現できます。

一方で、複数のAIエージェントからSalesforce、Google Drive、社内データベースなどを利用する場合、接続先ごとに個別の処理を実装すると、同じような接続処理が増えていきます。

複数のAIアプリケーションから同じToolやデータを利用したい場合は、MCPサーバーを介して接続方法を揃える効果が生まれます。

MCPは「APIより新しいから導入するもの」ではありません。

接続処理を共通化し、複数のAIから再利用したい場合に検討する仕組みです。

2.複数のAIエージェントへ分ける必要があるか

A2Aを検討する前に、一つのAIエージェントで業務を完結できないかを確認します。

営業提案の準備であれば、一つのAIエージェントが商談履歴の取得、企業調査、提案内容の整理まで担当する構成も考えられます。

この構成で要件を満たせるなら、営業Agentと調査Agentに分けてA2Aで連携させる必要はありません。

A2Aが必要になるのは、異なる役割や管理主体を持つAIエージェント同士を連携させたい場合です。

たとえば、営業部門が管理する営業Agentから、調査業務に特化した別のAgentへ仕事を委任する場合や、異なるベンダーが提供するAgent同士を連携させる場合が該当します。

Agentを分けると役割や責任範囲を整理しやすくなる一方で、依頼内容、成果物、処理状況、失敗時の対応まで設計する必要があります。

3.AIに許可するデータと操作を決める

技術的に接続できることと、AIに操作を許可してよいことは別の問題です。

Salesforceへ接続する場合でも、商談履歴の閲覧だけを許可するのか、顧客情報の更新まで許可するのかで、必要な制御は変わります。

導入前に、次の範囲を決めておく必要があります。

  • AIが参照できるデータ
  • AIが実行できる操作
  • ユーザーやAgentごとの権限
  • 人間の承認が必要な操作
  • 外部のAgentへ渡してよい情報

特に、A2Aで別のAgentへ仕事を委任する場合は、依頼先のAgentにどこまで情報を渡し、どの操作を許可するかを明確にします。

MCPやA2Aを導入しても、接続先のアクセス権限や社内のデータ利用ルールが自動的に整備されるわけではありません。

4.処理履歴と失敗時の対応を設計する

AIエージェントが複数のToolやAgentを利用すると、処理の流れが複雑になります。

期待した結果が返らなかったときに原因を確認できるよう、次の情報を記録できる構成が必要です。

  • どのAgentが仕事を依頼したか
  • どのToolやAPIを利用したか
  • どのデータへアクセスしたか
  • どのような結果が返されたか
  • どの処理でエラーが発生したか

外部システムの更新やメール送信など、取り消しにくい操作では、人間の承認を挟むか、失敗時に処理を止める条件も決めます。

MCPやA2Aの採用自体を目的にするのではなく、既存APIで足りない課題、Agentを分ける理由、許可する操作、失敗時の対応を整理したうえで、必要な仕組みだけを組み合わせることが現実的です。

よくある質問:API・MCP・A2Aについて

  • 「APIとMCPの一番大きな違いは何ですか?」
    • APIは「個別システムの機能やデータを呼び出す窓口」で、MCPは「AIからそれらのツールやデータを共通の形式で使えるようにする“接続の標準ルール”」
  • 「MCPはどんなときに導入すべきですか?」
    • 複数のAIアプリケーションやエージェントから、SalesforceやGoogle Driveなど同じツール・データを共通の方法で再利用したいときに導入を検討します
  • 「A2AはなくてもAIエージェントは作れますか?」
    • 作れます、A2Aがなくても単体のAIエージェントは可能。A2Aが必要になるのは、役割や管理主体が異なる複数エージェント同士で仕事を委任・連携させたいケースです
  • 「API・MCP・A2Aはどれか1つ選べばいいのですか?」
    • いいえ、どれか1つを選ぶ関係ではありません。APIは機能呼び出し、MCPはAIとツール接続の標準化、A2Aはエージェント間で仕事を依頼・受け渡しするための規格として組み合わせて使います

まとめ

API・MCP・A2Aは、いずれもシステムやAIを連携させる仕組みですが、担う役割は異なります。

  • API:システムの機能やデータを呼び出す
  • MCP:AIがToolやデータを利用するための接続方法を標準化する
  • A2A:独立したAIエージェント同士が仕事を依頼し、成果物を受け渡す

この3つは、同じ目的に対する選択肢ではありません。

MCPサーバーが既存APIを呼び出したり、A2Aで依頼を受けたAgentがMCP経由で外部Toolを利用したりするなど、一つのシステム内で組み合わせて使われます。

ただし、すべてのAIシステムにMCPやA2Aが必要なわけではありません。

一つのAIから特定のシステムを利用するだけなら、APIとの直接連携で十分な場合があります。

既存APIで足りない課題は何か、複数のAgentへ役割を分ける必要があるか、どのデータや操作を許可するかを整理したうえで、必要な仕組みを選ぶことが現実的です。

Mojiでは、既存システムや社内データとの接続を含めた、AIエージェントの設計・開発を支援しています。

MCPを導入すべきか、既存APIとの連携で十分か、複数Agentによる構成が適しているかといった構想段階からご相談いただけます。

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