OpenAIの「Dots」とは?機能・使い方・注意点を実際に触って検証
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上杉 洸平 事業開発・SEO/AIO担当
株式会社Moji ビジネス開発・コンテンツマーケティング担当 鹿児島県出身。大学2年次から複数のスタートアップで長期インターンを経験し、営業・事業開発と0→1の立ち上げに携わる。2026年9月より、生成AI特化の開発会社・株式会社Mojiに参画。AI開発プロジェクトの事業開発と運営体制づくりを担当しながら、自社メディアのコンテンツ運用をリードしている。
OpenAIの「Dots」とは?機能・使い方・注意点を実際に触って検証
OpenAIの「Dots」は、会話を通じて仕事を依頼し、途中で条件を変えながら進められるAIエージェントです。専用のクラウド環境を持ち、調査や資料作成などを行う仕組みとして案内されています。OpenAI公式概要
では、実際にどこまで任せられるのでしょうか。
今回は、比較表の作成、追加条件への対応、社内勉強会の企画づくりを試しました。勉強会については、「10人・30分・初心者向け・予算ゼロ」という条件から、進行表と司会台本まで作成されました。
一方で、出てきたのは「当日AIを操作しないAI勉強会」。条件を満たした成果物でも、こちらが期待する体験と一致するかは確認が必要でした。
この記事では、Dotsの基本情報と、実際の検証でできたこと・確認できなかったことを分けて紹介します。
※情報確認・検証日:2026年10月4日。検証はCodexによるブラウザ操作を介して実施しました。音声会話、携帯電話への発信、長時間の無人稼働は検証していません。
Dotsとは?会話の続きから仕事を進めるOpenAIのAIエージェント
Dotsの特徴は、依頼を受けて作業しながら、追加の相談や条件変更も受け付けることです。OpenAIは、会話していない間も作業を進め、結果や人の判断が必要な点を知らせるエージェントとして説明しています。
公式情報では、専用のクラウド上のコンピューターとブラウザを利用します。利用者の端末がオフでも継続できるクラウド作業と、接続した利用者のPCが稼働している必要のある作業は区別されています。Dotsの仕組み
使い方を考える際は、「質問に答えてもらう」だけでなく、「何を完成させてほしいか」を決めると依頼しやすくなります。
たとえば、次のような仕事です。
- 調べた内容を比較表にまとめる
- 比較表を自社の条件に合わせて作り直す
- 企画案から当日の進行表や台本まで作る
今回の検証では、この3つを順番に試しました。
Dotsを触ってみた結果:3つの依頼で何ができた?
先に、今回の結果をまとめます。
検証したこと | 実際の結果 | 確認が必要だった点 |
|---|---|---|
公式情報を基に比較表を作る | 3サービスを5項目で整理。出典リンクと未確認事項を記載 | リンク先が主張を裏付けているか |
後から利用条件を変える | 非エンジニアの広報チーム向けに比較軸と提案を変更 | 一般的な機能と、Dots自身の提案の違い |
勉強会の企画を任せる | 企画・教材・30分の進行表・司会台本を作成 | AIの実操作を含まない企画だった |
通話機能を操作する | 開始・終了の画面を操作 | 音声接続と音声による依頼は未確認 |
ここで確認したのは、限定した条件下での成果物です。他のAIとの性能比較や、業務時間の削減効果を測定したものではありません。
検証①:Dots・ChatGPT Work・Codexの比較表を作ってもらった

最初に依頼したのは、公開されている公式情報の整理です。
Dots、ChatGPT Work、Codexについて、次の5項目で比較するよう伝えました。
- 主な用途
- 依頼できる仕事の例
- 作業する環境
- 利用開始の条件
- 人が確認すべき点
さらに、出典となる公式ページのリンクを付け、確認できない点は「未確認」と書くよう指定しました。
表の形式だけでなく、不明点も出力された
回答には、指定した5項目の比較表と、選定前に確認すべき3つのポイントが含まれていました。
利用条件についても、すべてを断定する回答にはなっていませんでした。個別アカウントでDotsが利用できるかなど、確認できない点が明記されています。
調査結果を仕事に使ううえでは、「埋まった表が出てくること」と同じくらい、「何が未確認か分かること」が重要です。
ただし、出典リンクが付いていれば、その内容をそのまま採用できるわけではありません。今回は主要な説明を公式ページと照合しましたが、すべての料金・地域・プラン条件を網羅的に検証したわけではありません。
初回は、途中で進捗確認が必要だった
最初の比較表は、依頼から約3分半後に完成を確認しました。途中で一度、進捗を尋ねています。
この時間は画面上で完成を確認するまでの目安で、厳密な生成時間ではありません。また、初回から完全に放置して結果が届いた検証としては扱えません。
検証②:「非エンジニアの広報チーム向けに」と条件を変えてみた
次は、最初の比較表を作り直してもらいました。
追加した前提は、「エンジニアがいない10名の広報チームが、記事制作と公開情報の収集に使う」というものです。
比較項目も、一般的な機能から実際の運用へ変更しました。
新しい比較項目 | 確認したかったこと |
|---|---|
記事制作での使い道 | 日々の仕事のどこに使えるか |
初期設定・運用の負担 | 非エンジニアでも扱いやすいか |
人が確認する箇所 | 校閲やチェックがどこに必要か |
最初の1週間で試す仕事 | 小さく試すなら何から始めるか |
Dotsが勧めたのは、まずChatGPT Workで記事1本を試すこと

回答で興味深かったのは、Dots自身を第一候補にしなかったことです。
今回の条件に対して、Dotsは「まずChatGPT Workで記事1本の調査・構成・下書きを試す」案を勧めました。Dotsについては、同じテーマを継続して相談する使い方を提案しています。
これはDotsが出した選定案であり、製品の優劣を実測した結果ではありません。それでも、依頼条件に応じて提案内容が変わったことは確認できました。
公式仕様として説明する内容と、チームへの提案・判断も分けて記載されていました。改訂版は追加の進捗確認を送らず、約3分後に完成を確認しています。
検証③:「少し笑えるAI勉強会を考えて」と丸投げしてみた
3つ目は、資料の整理よりも曖昧な依頼です。
依頼の中心部分は、次の内容でした。
来週、社内でAIの勉強会をやるんだけど、普通の説明会だとつまらないんだよね。10人で30分くらい。全員が参加できて、ちょっと笑える企画を考えて、当日の進行表と司会の台本まで作っておいて。
補足として、初心者向け・予算ゼロを前提に任せること、架空の企画であること、完成版をチャットに出したら終了することを伝えました。
細かい企画内容や構成はこちらで決めていません。
出てきたのは「AIのうっかり回答を救う編集会議」
Dotsが考えたのは、誤りを含む架空の文章を、参加者がペアで修正する勉強会でした。
教材は、架空の文具店によるメモ帳のお披露目会です。正しい情報と、事実を盛りすぎた「AI役の回答」を見比べます。
回答例には、展示するだけの商品がプレゼントに変わったり、根拠のない性能が加わったりする誤りが含まれていました。参加者は、間違いを探し、依頼文を改善し、最後に正しい案内文へ修正します。
教材は今回のための作例であり、実在するAIサービスが実際に出した誤回答ではないことも明記されていました。
進行表と台本まで、追加指示なしで完成した

完成した内容には、次のものが含まれていました。
- 開催条件と準備物
- 30分の進行表
- 正しい情報をまとめた教材
- 誤りを含む架空の回答
- 時間帯ごとの司会台本
- 改善した依頼文と案内文の例
- 時間が押した場合などの対応
進行表の時間は、合計30分。司会を含む10人を5組に分け、書き手と確認役を交代する設計でした。全員が一言ずつ発表する時間も確保されています。
今回、企画作成を進めるための追加質問や催促は送っていません。
意外だったのは、AIを操作しない企画だったこと

成果物は具体的でしたが、当日のAIアカウントやAI操作は不要という設計になっていました。
依頼した「初心者向け」「予算ゼロ」「全員参加」には合っています。一方で、参加者にAIを実際に触ってもらいたいなら、このままでは目的を満たしません。
ここから分かったのは、細部を任せることと、体験の目的まで任せることは別だということです。
今回は追加質問をせずに進める前提も伝えたため、Dotsは不足していた条件を自分で補いました。成果物を受け取る側は、その仮定が適切かを確認する必要があります。
同じ依頼を改善するなら、「参加者が各自でAIに一度は入力する時間を含めて」と一文足すと、期待を伝えやすくなります。ただし、この追加指示による再検証は今回は行っていません。
なお、実際に勉強会を開催したわけではないため、参加者が笑ったか、時間内に進行できたかは未検証です。
Dotsの使い方:最初は成果物を一つ決めて試す
Dotsの初回作成は、デスクトップアプリまたはPCのブラウザから行います。利用できる機能や設定は、アカウントの提供状況によって異なります。公式スタートガイド
今回の検証から、最初の依頼では次の4つを入れると、結果を評価しやすくなると考えます。
伝えること | 例 |
|---|---|
目的 | 初心者がAIへの依頼のコツを学ぶ |
条件 | 10人、30分、予算ゼロ |
成果物 | 進行表と司会台本 |
完了条件 | このチャットに完成版を出したら終了 |
これは今回の検証を基にした編集上の提案で、公式の必須入力項目ではありません。
最初から複数の業務をまとめて任せるより、比較表1つ、企画1つと区切る方が、期待との差を見つけやすくなります。結果を見てから条件を追加すれば、どの指示で内容が変わったかも確認できます。
Dotsは電話できる?アプリ内通話と携帯電話への発信の違い
公式では、ChatGPT内の電話ボタンから自分のdotと通話し、仕事の相談や条件変更を行えると案内されています。通話が終わっても、依頼した作業は継続できると説明されています。通話機能の公式説明
ここでいう通話を、携帯電話番号へ発信する機能と混同しないことが重要です。確認日の公式説明では、dot側から開始する通話は今後の予定とされています。
今回の検証では、通話の開始・終了画面を操作しました。ただし、操作環境では音声を送受信できなかったため、音声で依頼が伝わったことは確認できていません。
勉強会の依頼は、通話画面を開いた状態でテキスト入力しました。その後に画面を終了しても成果物は作成されましたが、これは「電話で丸投げできた」という検証結果には含めません。
Dotsの料金・利用条件は?日本でも使える?
2026年10月4日に確認した公式情報では、Dotsは対象プランへ段階的に提供されています。
対象プラン | 公式に記載された条件 |
|---|---|
Pro 100・200・500 | 18歳を超える利用者。EEA・英国・スイスを除く地域 |
Business Premium | 世界向けに段階提供 |
Enterprise | 世界向けに段階提供。管理者による有効化が必要 |
日本は、上記Proプランの地域除外には含まれていません。ただし、対象プランでもすぐに表示されるとは限りません。提供条件
Dotsとの会話と、Dotsが開始・管理するWorkやCodexのタスクは、利用枠の扱いが異なります。「Dotsを使えるから、関連する作業をすべて無制限に実行できる」という意味ではありません。契約金額や追加利用の条件は、申し込み時のプラン画面で確認してください。利用枠の説明
Dotsを業務で使う際の注意点
出典と、AIが補った前提を確認する
比較表では出典が正しいか、企画では仮定が目的に合っているかを確認します。
今回の勉強会であれば、「司会を含めて10人」「対面開催」「当日のAI操作は不要」といった設定です。文章が完成していても、この前提が違えば修正が必要です。
下書き作成と外部への送信を区別する
今回は、チャット内の成果物作成までを依頼しました。メール送信、投稿、予定登録などは検証していません。
公式でも、下書きの依頼だけでは送信の許可にならず、アカウントや情報共有に影響する操作は、指示や権限などに照らしたレビューの対象になると説明されています。操作と承認の仕組み
止める場所を確認しておく
公式では、Dots本体の一時停止、委任されたタスクの停止、定期実行の解除は別の操作とされています。継続的な仕事を任せる場合は、現在進行中の作業とスケジュールをそれぞれ確認する必要があります。停止方法
今回確認したのは単発の依頼です。長期間の監視や定期業務が、どの程度安定して動くかは今後の検証対象です。
Dotsはどんな仕事から試すとよい?
今回の結果を踏まえると、まずは完成条件が分かりやすく、人が確認できる仕事が候補になります。
試す仕事 | 完成後に確認すること |
|---|---|
公開情報の比較表 | 出典、更新日、未確認事項 |
条件変更を伴う企画の改訂 | 古い条件が残っていないか |
社内勉強会の進行表・台本 | 時間配分、参加者の役割、学習目的 |
今回のDotsは、依頼の条件に合わせて内容を組み替え、企画を実施に近い形まで具体化できました。
一方で、「AIを使う勉強会のつもりだったが、AIを使わない企画が出てきた」という差もありました。仕事を任せる際は、細かな手順よりも、完成後に誰が何をできるようになってほしいかを伝えることが重要です。
AIエージェント全体の導入判断を知りたい方は、MetaのAIエージェント「Muse」の機能・使い方・安全性も参考にしてください。
Mojiでは、AIに任せる業務の選定から、成果物の確認方法を含む運用設計までご相談を承っています。自社でどの仕事から試せるか、この記事の検証を出発点に検討してみてください。
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