Museで買い物はどこまで任せられる?Uber Eatsの会計まで進めてみた

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上杉 洸平事業開発・SEO/AIO担当
株式会社Moji ビジネス開発・コンテンツマーケティング担当 鹿児島県出身。大学2年次から複数のスタートアップで長期インターンを経験し、営業・事業開発と0→1の立ち上げに携わる。2026年9月より、生成AI特化の開発会社・株式会社Mojiに参画。AI開発プロジェクトの事業開発と運営体制づくりを担当しながら、自社メディアのコンテンツ運用をリードしている。
「腹減ったから、なんか丼系頼んで。店と量はおまかせ」
AIにこのくらいの頼み方をしたら、どこまで動いてくれるのか。
MetaのAIエージェント「Muse」で試したところ、Uber Eatsで店と料理を探し、ご飯の量を選び、カート追加から会計画面の確認まで進められた。ログイン後に適用された割引や手数料も確認し、最後は「合計2,196円でよければ、確定するかどうか教えてください」と返してきた。
ただし、一言だけで全部が進んだわけではない。途中で質問に答えたり、選択を任せ直したりする必要もあった。
今回は、そのやり取りと実際の画面を紹介する。商品を購入するまでのどの部分をAIに任せられるのか、EC事業者が何を整えるべきかも考えたい。
Muse自体の概要や日本での始め方は、「MetaのMuseとは?日本での使い方・料金・できること」で解説している。
Museの用途1位は「買い物」。平均購入金額は200ドル超
Metaは2026年10月21日の決算説明会で、Museの最も多い用途が買い物であると説明した。週間アクティブユーザーの25%超が買い物に利用し、平均購入金額は200ドル(約3万1,400円)を超えるという。出典:Meta決算説明資料
この数字は、読み方に注意が必要だ。
「25%超」は買い物に利用する人の割合で、購入完了率ではない。また、購入金額には旅行も含まれるため、物販ECだけの平均客単価とも異なる。
それでも、買い物が主要な用途になっている点は興味深い。調べ物をするだけでなく、商品を選び、購入の準備まで任せる使い方が広がり始めている。
では、日本のサービスでも使えるのだろうか。身近な買い物として、Uber Eatsで丼ものを探すところから試した。
「腹減ったから、なんか丼系買って」と頼んでみた
最初は、予算や料理の細かな条件を決めずに依頼した。注文を確定する前には止めるよう伝えている。
Museの最初の反応は、いきなり店を探すことではなかった。次の3点を聞き返してきた。
- 届け先と、配達・持ち帰りのどちらを希望するか
- 牛丼やカツ丼など、丼の種類に希望があるか
- Uber Eatsや出前館など、使いたいサービスがあるか
そこで、「渋谷駅あたりに配達で、丼の種類はおまかせ。Uber Eatsで探して」と補った。
今回は個人の住所を入力せず、渋谷駅を検索用のランドマークとして使っている。実際の自宅への配達可否を確かめたものではない。
MuseはUber Eatsを開き、店を探し始めた。作業用ブラウザーを開くと、店舗ページを閲覧している様子も確認できる。
Museはチャットで候補を返すだけでなく、作業用ブラウザーでUber Eatsのページを開いた。

候補は出せたが、「おまかせ」でも一度は選択を求められた
調査後、Museは3店のメニューを提示した。
店舗 | メニュー | 表示価格 |
|---|---|---|
サーモン ねぎとろ 海鮮丼 渋谷たんと | たっぷりねぎとろ丼 | 2,480円 |
かつ丼屋 のぶお 南青山店 | 王道!ロースかつ丼 | 1,550円 |
大盛スタミナ肉丼 ニンニク野郎 渋谷宮益坂店 | 一番人気!赤辛ガッツ丼〈並盛〉 | 1,140円 |
※検証時にMuseが取得したUber Eatsの表示情報。現在の価格や配達状況を保証するものではない。
ここでMuseは「気になるものがあれば教えてください」と返し、選択をこちらに戻してきた。
おまかせと伝えていても、そのまま一つに決めて進むわけではなかった。
「どれでもいいから、そっちで1つ選んで進めて」と返すと、Museは「たっぷりねぎとろ丼」を選んだ。理由として挙げたのは、3候補の中で店舗の評価が最も高く、配達時間の目安が最も短かったことだ。
予算を指定していないため、最も安い料理を選んだわけではない。「おまかせ」にしたときに何を優先するかは、確認したい点の一つだ。
さらに、商品詳細画面ではご飯の量の選択が必要になり、Museはもう一度停止した。「量もおまかせでいいから進めて」と伝えると、追加料金のない普通400gを選び、カート追加まで進めた。
商品詳細画面には価格と「注文に1個追加する」ボタンが表示されている。この後、普通盛りを選んでカート追加へ進んだ。

今回の結果では、店や料理を探すことは任せられた。一方、候補の決定とご飯の量では、追加の促しが必要だった。
Uber Eatsの専用連携は見つからず、ブラウザーでログインした
次に、自分のUber Eatsアカウントで利用するところまで進めた。
Museのコネクター一覧で「Uber」を検索したが、このアカウントでは専用の連携は見つからなかった。そこで、Museの作業用ブラウザーにUber Eatsのログイン画面を開かせ、利用者側でサインインした。

今回使ったのは、専用コネクターによる接続ではなく、ログイン済みのブラウザーをMuseが操作する方法だ。
ログイン後は、次のように依頼した。
ログインした。腹減ったから、なんか丼系頼んで。店と量はおまかせ。注文を確定する前に、内容と送料・手数料込みの総額だけ確認して。

ログイン後の依頼。今回は、それまでに選んだ料理とカートを引き継いでいる。
Museは、ログイン後もカートの内容が変わっていないか確認し、会計画面まで進んだ。
ログイン連携の選択肢については、1Password for AgentsのMuse連携・対応条件とログイン承認の仕組みも解説しています。対応アカウントや利用条件を確認したいときに参照してください。
割引と手数料を確認し、「合計2,196円」で最後に確認してきた
ログイン前に表示されていた商品価格は2,480円だったが、ログイン後の会計では割引が適用された。
Museが示した内訳は、次の通りだ。
項目 | 金額 |
|---|---|
商品小計〈25%オフ適用後〉 | 1,860円 |
メンバーシップ特典 | −112円 |
サービス手数料 | 448円 |
配達料 | 50円 |
配送手数料の割引 | −50円 |
合計 | 2,196円 |
Uber Eatsの実際の会計画面でも、同じ金額を確認できた。

商品価格だけでなく、アカウントに適用された割引やサービス手数料を含む合計が表示された。
その後、Museは料理、数量、ご飯の量、配達方法、総額を整理し、最後にこう尋ねてきた。
「この内容と合計2,196円でよければ、確定するかどうか教えてください」

注文内容と総額を確認したうえで、利用者に判断を返した。注文は確定していない。
ここで操作を終了した。注文確定・決済・料理の受け取りは行っていない。
また、配達先は渋谷駅のランドマークのままで、登録済みの自宅住所への配達総額を確認した結果ではない。今回確認できたのは、ログイン済みのアカウントで会計画面を読み取り、最終確認を求めるところまでだ。
AIが買い物を進めると、ECで重要になる情報も見えてくる
今回の操作から、EC事業者にとっても考えたい点がある。
一つは、商品を選ぶための情報を具体的にすることだ。
Museは、店舗の評価や配達時間を選択理由に挙げた。ご飯の量についても、追加料金のない標準量を選んでいる。価格、数量、オプション、所要時間など、比較できる情報が判断材料になっていた。
もう一つは、一覧ページの商品価格と、最後に支払う金額を区別することだ。
今回も、最初の2,480円がそのまま支払額になったわけではない。ログイン後の割引や手数料を含めた結果、合計は2,196円になった。
物販ECでも、送料、会員割引、クーポン、選択オプションによって総額は変わる。AIに商品を見つけてもらうだけでなく、購入条件を正しく確認できるかまで見ておきたい。
また、別途行ったヘッドホン選びでは、重量などの条件に合わせて候補を絞れた一方、販売店ページの読み込みでつまずく場面もあった。商品ページと返品規定のURLを直接渡すと、Museは返品条件を確認し、開封後に試着して返品したいという希望には合わないと判断した。
価格が合えば購入できるとは限らない。配送条件や返品条件も、候補を残すか外すかに関わる情報になる。
EC担当者は、自社の商品を一度AIに選ばせてみる
まず試せるのは、顧客が実際に使いそうな言葉で、自社の商品を探させることだ。
「通勤用の軽いヘッドホンがほしい」「予算内でプレゼントを選んで」といった依頼を送り、何を判断材料にし、どこで止まるかを観察する。
商品が候補に入るかだけでなく、型番や価格は合っているか、在庫を確認できるか、送料や返品条件を正しく読めるかも確かめたい。
今回のMuseは、途中で促す必要はあったものの、店と料理を選び、ログイン後の割引や手数料を含む会計確認まで進めた。最後は、利用者に内容と総額を提示して判断を求めている。
買い物のすべてを一度に任せられるとまではいえない。それでも、探す、比較する、選ぶ、会計を確認するという一連の操作を、会話で進められることは確認できた。
Museの料金や始め方、サービス連携の基本は、Museの日本向け使い方ガイドも参考にしてほしい。ほかのパーソナルAIエージェントとの違いは、Claude Duet・dots・Museの比較記事で整理している。
検証日:2026年10月26日。MuseのWeb版と、その作業用ブラウザー上のUber Eatsを使用。料理選択からカート追加後、利用者がUber Eatsにサインインし、既存カートを引き継いで会計を確認した。配達先は渋谷駅のランドマークを使用。注文確定・決済は実施していない。掲載した価格・割引・配達時間・画面表示は検証時点のもので、アカウントや配送先、日時によって異なる。