Gleanとは?社内検索・AIアシスタント・エージェントの違いと日本での導入

AI脆弱性診断
そのAIシステム、従来の診断だけで十分ですか?
外部・内部の弱点に加え、プロンプトインジェクションや過剰な権限などAI固有の攻撃面も診断します。
Glean(グリーン)とは、Slack、Google Drive、Microsoft 365、Jira、Salesforceなど、社内で使うアプリケーションへ接続し、情報を探す・根拠を確認しながら回答や下書きを作る・設定したツールで作業を進めるための企業向けAIプラットフォームです。
理解のポイントは、Search、Assistant、Agentsを同じ機能として扱わないことです。検索できること、現在のデータを取得できること、外部システムへ書き込めることは、接続先と設定によって別々に確認します。
Gleanの3機能:Search、Assistant、Agentsの違い
機能 | 主な役割 | 確認する点 |
|---|---|---|
Search | 複数の社内アプリを横断し、文書・会話・チケットを探す | 索引化する範囲、接続元の権限の反映 |
Assistant | 参照した社内情報をもとに、回答、要約、比較、下書きを作る | 引用の表示、利用者が原典を開けるか |
Agents | 指示、知識、ツール、文脈を組み合わせてタスクを進める | 読み取りだけか、作成・更新まで行うか |
Gleanのコネクタは接続元からコンテンツと権限情報を取得し、検索結果へ接続元アプリケーションのアクセス権限を反映する仕組みとして説明されています。ただし、これはコネクタと設定に関する製品仕様です。「導入すれば安全」といった一般的な保証ではありません。Glean公式:About connectors
Assistantの引用は、回答が参照したソースを利用者が確認するためのものです。引用先を開いても新しいアクセス権は付与されず、元の組織のデータ制御が引き継がれます。重要な回答では、引用の有無だけで判断せず、利用者が原典を開いて内容を照合する運用が必要です。Glean公式:Citations
Agentsは、指示、知識、ツール、文脈を組み合わせて再利用可能なタスク実行の仕組みを作る機能です。調査・要約・下書きのように進め方を柔軟に決める用途にはAuto mode、手順・分岐・引き継ぎを明示したい用途にはWorkflow modeが案内されています。一般的なAIエージェントとの違いは、AIエージェントとは?生成AI・チャットボット・RPAとの違いも参照してください。Glean公式:How agents work
架空例:社内資料を探し、レビュー用チケットを準備するまで
架空の例:営業担当者が「取引先A社向けの障害説明を下書きし、社内レビュー用チケットを準備して」と依頼する場面を考えます。
- Search:障害チケット、Slackでのやり取り、過去の説明資料、運用手順を探します。
- Assistant:見つかった資料を参照し、発生事象、影響範囲、暫定対応、未確定事項を整理した文案を作ります。利用者は引用と元資料を確認し、内容を修正します。
- Agents:Jiraへの書き込みツールが設定され、実行条件を満たす場合に限り、レビュー用チケットの作成へ進みます。
ここで分けるべきなのは、検索用に事前索引化されたデータと、依頼時に接続先を呼び出すツールです。Gleanの公式ドキュメントでは、データ索引は検索可能なコンテンツを作り、ツールは現在のデータの取得または外部システムでの操作を行うものとして説明されています。ツールを接続しただけでは、接続先コンテンツが検索対象になるわけではありません。Glean公式:Connectorsでのツール・MCP設定
書き込みを使う前に確認すること
Gleanの書き込みツールは、チケット作成、レコード更新、メッセージ送信など、接続先のデータを変更する処理に使われます。Glean Webアプリの対話的なエージェントでは、書き込みツールは既定で実行前に確認を求める仕組みが案内されています。一方、管理者が対象ツールを許可し、エージェント作成者が明示設定した場合は、確認なしで実行できる構成もあります。Glean公式:Human-in-the-loop confirmations for write tools
Slackへ公開したエージェントでは、読み取りツールは実行できますが、Webアプリ上の対話的承認を必要とする書き込みツールは完了しません。Slackで書き込みを扱う場合は、対象操作に確認なしの実行を許可するか、承認可能なWebアプリで実行するかを、用途ごとに決めます。Glean公式:Publishing to Slack
Mojiの導入準備案としては、最初から全社・全接続先へ広げず、1業務と少数の接続先に範囲を絞り、①検索対象、②接続元の認可、③索引・ライブ読み取り・書き込みの別、④書き込み前の確認方法を対応付けます。社内文書の根拠付き回答と外部ツールの実行を分けて設計する考え方は、Agentic RAG 導入ガイドも参考になります。ただし、Gleanの製品機能と一般的なAgentic RAGの実装は同義ではありません。
日本での導入窓口・料金の確認点
Glean公式の日本語サイトにはデモ依頼の窓口があります。国内提供元として本記事で確認したNTTデータは、導入前コンサルティング、PoC設計、対象SaaSの選定、連携設計、追加開発、定着化・運用改善支援を案内しています。Glean公式日本語ページ/NTTデータ:Glean
NTTデータの公開FAQでは、年間契約・最小100ユーザーから利用できるとし、参考ライセンス価格を1ユーザーあたり月額50米ドル(定価)と案内しています。実際の費用は、ホスト環境、データ量、ユーザー数などで変動するため、この参考価格だけで総額を確定することはできません。対象コネクタ、PoCの種類と対象人数、導入支援、必要な利用者数を見積もりで確認してください。
なおGleanは、2026年5月28日付の会社発表で、ARRが3億米ドルに到達し、1億米ドル到達から15か月だったこと、Fortune 500顧客数が前年比でほぼ倍増したことを公表しました。これは会社が発表した当時の事業指標であり、現在の確定売上や第三者監査済みの実績として扱う情報ではありません。Glean公式プレスリリース
Gleanを検討する際は、Searchで何を探すか、Assistantで何を根拠付きで下書きするか、Agentsでどの接続先へどこまで操作させるかを分けて決めることが出発点です。製品名だけで判断せず、接続先ごとのデータ範囲、認可、ツールの読み取り・書き込み、確認手順を対応付けてください。