株式会社FUSIONが考える広告代理店のAI戦略と、これからの人材像を代表楠さんに聞いてみた

AI新規事業
AI新規事業のPoC・立ち上げ、何から始めるべきかご相談ください
要件定義からリリースまで、Mojiがワンチームで伴走します。
平岩寛児COO
大阪出身、趣味はドライブと音楽。(80-90sの音楽に最近ハマっています🎧)代表鎌野と高校と大学が同じという偶然。慶應義塾入学後、ブライダルのエンドロールカメラマンとして約3年間、300件ほどの撮影を行う。その後、大学生特化の人材紹介業で起業。事業譲渡後、Mojiにジョイン。
生成AIによって、広告クリエイティブの制作は大きく変わりつつあります。コピーやバナー、LPを短時間でつくれるようになった今、広告代理店の価値はどこにあるのか。そして、人間は何に力を注ぐべきなのか。
今回株式会社FUSIONの代表を務める楠さんにインタビューしてみました!
偶然見かけた以下の内容が気になり、せっかくなら記事にしたいと思い、実現に至りました。
「制作品質を維持しながら制作工数を90%削減し、制作量を10倍に増加させることに成功しました。」「PDCAサイクルの高速化と広告効果の検証精度向上を通じて、顧客の事業成果への貢献を強化しています。」
参照:https://corp.raksul.com/news/press/260821_fusion_new-president/
interviewee:
株式会社FUSION
代表取締役 楠勇真

経歴:
東京大学経済学部卒業後、2020年4月にラクスル株式会社に新卒で入社。
広告領域の新規事業「ノバセル(現ノバセル株式会社)」に配属され、入社当初からストラテジックプランナーとして約40社のお客様のテレビCMを通じたマーケティング戦略をサポート。並行して、メディア業務や効果分析業務も行い、ワンストップでお客様の事業成長をサポートする。
2年目にはラクスル史上最年少マネージャーとしてSaaSの事業開発を担当し、3年目からは営業部長として事業全体を統括。現在はFUSION代表取締役としてダイレクト広告事業を統括。
interviewer:
Moji株式会社
COO 平岩寛児

経歴:
慶應在学中にインターン紹介メディアを立ち上げ、150社ほどの掲載を行う。卒業前に譲渡し、現在はAIを活用した新規事業開発のサポートや、PoC・本番開発まで一気通貫で支援を行うMoji株式会社でCOOとして営業の責任者を務める。特に土木建築業界でのAI導入を進めている。
インタービュー内容
Q:AIによって、広告クリエイティブの制作はどう変わりましたか?
A: 広い意味でのクリエイティブ制作で、制作工数を90%削減し、制作量を10倍に増やしました。対象は広告バナーだけではなく、広告の受け皿となるLPの制作・編集も含みます。
ただ、単に生成量を増やすだけなら、比較的簡単です。支援会社として重要なのは、成果を出すクリエイティブを作るために、顧客が納得する品質と、「なぜこのクリエイティブなのか」を説明できることです。
この“なぜ”を説明できなければ、量産したとしても価値を生み出せないのです。
その両方を担保しながら制作プロセスを効率化し、制作本数を増やしています。人員減少によって不足していた制作力・供給を補うことにもつながっています。
Q:AIで制作量を増やしながら、品質と説明責任をどう担保していますか?
A: 過去の成果から得た学びを、次の制作に結びつけることを重視しています。
例えば、成果の出た訴求軸があれば、その切り口を変えて新しいコピーをつくる。デザインも、「人物を中心にした表現より、文字を中心にした表現のほうがよかった」というように、ある程度はパターンとして言語化できます。その学びと新しい訴求軸を組み合わせて、クリエイティブを設計します。
大切なのは、「このクリエイティブがうまくいったら、何が学べるか」まで事前に考えておくことです。作った理由を説明でき、結果から次の学びを得られる状態にしたいと考えています。
Q:社内では、AIツールをどのように使い分けていますか?
A: ビジネス側に主に提供しているのは、Claude CodeとGeminiです。
Claude Codeでは、専門的な知見を持つメンバーが、自分の考え方や仕事の進め方をスキル化し、他のメンバーも使えるようにしています。個人が持っているノウハウを、周囲にも展開していくイメージです。
Geminiは、Google Workspaceに付帯する環境として、リサーチや情報整理などに汎用的に使えるようにしています。将来的には、多くのことがClaude Code側でできるようになるとも考えています。
Q:特化型AIは使用していますか?それはどの作業シーンで使用しますか?
A:例えば動画生成系のツールである「KlingAI」を使っています。
ただ、特定のツールを前提に、ワークフロー全体を組むという考え方ではありません。特化型ツールを部品として使い、Claude Codeが全体をオーケストレーションするイメージです。
ツールごとの得意・不得意は残ると思うので、それぞれの強みを組み合わせて使っています。
Q:AI活用のルールと、現場が挑戦できる自由度をどう両立していますか?
A: 使用するツールや環境は会社が用意し、一定の制約を設けることで、セキュリティ面を最低限担保しています。
一方で、AIでつくったものを顧客にどう展開するかは、比較的現場に委ねています。例えば、定例資料をつくるプロセスをAIで変えて、顧客の反応を見たいという取り組みは、現場主導で試すことを奨励しています。
使える環境を整えたうえで、現場が新しい方法を試していく。その意味では、攻めの姿勢がある環境だと思います。
Q:AIに任せられる仕事が増える中、人間はどこに力を使うべきでしょうか?
A: まだ十分に実践しきれているわけではありませんが、主に三つあると考えています。
一つ目は、選び取る力です。AIが大量に生成したものの中から、何を採用するのかを決める力です。特に、過去の平均から外れるような、非常に優れたものを見極める力は、人間に残るのではないかと思います。ただし、その選別自体もAIが担う可能性はあります。
二つ目は、愛嬌・人間力です。顧客に好かれ、応援され、「この人には教えたい、相談したい」と思ってもらう力です。顧客がまだ共有していない悩みや事情を引き出せるかは、関係性に左右されます。そこで得られた情報が、AIへの適切なインプットにもつながります。
三つ目は、越境と強い好奇心です。越境とは、「自分自身の業務範囲外・専門外の領域に興味を持つ、挑戦する」ということです。一見仕事と関係のないことにも熱中し、未知の体験をする。その経験が、独自の情報や顧客との関係性、アウトプットを見極める感性につながると考えています。
Q:高い品質を生み出せるクリエイターを、どう育てていますか?
A: アプローチは二つあると思っています。
一つは、一定品質のものを大量につくり、その中から良いものを選べる力を高めること。もう一つは、非常に高い品質を出せる人をロールモデルとして、そこを目指すことです。
後者では、先ほどの越境が大切です。良いクリエイターは、制作だけでなく、広告運用や営業、顧客・ユーザーへの理解も持っています。
社員にも、制作・運用・営業を横断して経験し、自分の制作物が成果にどうつながっているのかを学ぶよう促しています。制作だけに閉じず、その前後の仕事を知ることが重要だと考えています。
まとめ
この記事での大きな学びを以下に3つ整理しました。ぜひ皆さんもどれか1つでも意識してみてください。
過去の成果からの学びのサイクル
どの訴求軸や表現が良かったかをパターンとして言語化し、次の制作や事前の仮説検証に組み込むことが重要です。
AI時代に人間に求められる3つの力
選び取る力:AIが大量生産したものの中から優れたものを見極める
愛嬌:顧客との信頼関係を築き、本音や隠れた課題を引き出す
越境:専門外の領域に挑戦し、独自の情報や感性を養う
制作・運用・営業の越境経験
クリエイター自身が制作だけに閉じず、その前後の業務を横断して経験し、成果へのつながりを理解することが育成において重要です。
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https://note.com/noki_31/n/n5fad2b8793c7