JMAMのEQ向上アプリ「ahame(アハミー)」を、UI/UX刷新+対話型AIの追加でスピーディに生まれ変わらせた数ヶ月間の共創プロセスとは
教育 2026年6月

JMAMのEQ向上アプリ「ahame(アハミー)」を、UI/UX刷新+対話型AIの追加でスピーディに生まれ変わらせた数ヶ月間の共創プロセスとは

Overview

事例概要

項目

内容

社名

株式会社日本能率協会マネジメントセンター(JMAM)

部署

ラーニングマーケティング本部

プロジェクト

EQ向上学習アプリ「ahame(アハミー)」のアプリ化・UI/UXリニューアル、対話型AI「こねっちAI」の開発、インフラ最適化、AI利用の可視化(AI評価クラウド)

インタビュイー

ラーニングマーケティング本部 本部長/Learning Design編集長 斎木 輝之さん

課題

  • Webブラウザ利用が前提のため、スマホでの日常利用の継続率に課題があった
  • 生成AIを活用した対話機能の企画・シナリオ・プロンプト設計を、短期間で高い品質に仕上げる必要があった
  • サーバーの固定費が高止まりしており、運用コストの最適化余地が見えていなかった
  • 生成AIの導入後、利用実態やコストが見えにくく、費用対効果をデータで判断しづらかった

ソリューションポイント

  • 日常的に戻ってきたくなるネイティブアプリのUI/UXリニューアル
  • 柔軟な対応力、スピード感、生成AIを含む先端技術への追随力を兼ね備えた伴走開発
  • インフラ最適化によるサーバー固定費の大幅削減(従来比約68%減)とセキュリティ強化
  • AI利用状況・コストを可視化する管理画面(AI評価クラウド)の提供

本文

EQ向上で「人間関係ストレスの少ない職場」を。学習アプリahameが解こうとする課題

聞き手:はじめに、自己紹介をお願いできますでしょうか。

斎木さん:株式会社日本能率協会マネジメントセンター(JMAM)のラーニングマーケティング本部 本部長、および人材育成専門誌『Learning Design』の編集長を務めている斎木 輝之と申します。営業部門やマーケティング部門を経験しながら、企業の「組織開発」「人材開発」の支援を行ってきました。新人・若手や管理職の育成、エンゲージメント向上などのテーマで、意識調査、新サービス開発、セミナーを幅広く担当しており、セミナー参加企業は延べ2,000社を超えます。

聞き手:サービス「ahame(アハミー)」について、簡単にご紹介いただけますか。

斎木さん:ahameは、EQ(心の知能指数)の向上を通じて職場の人間関係を改善し、ストレスの少ない職場づくりを支援する学習アプリです。サービス名は「アハ体験(aha)」+「自分(me)」に由来しており、働く日々のなかで、自分にとっての気づきやアイデアを得るきっかけになってほしい、という思いを込めています。

背景には、職場の人間関係ストレスが、働く意欲・生産性・離職に直結する経営課題になっているという問題意識があります。既存のカウンセリング・書籍・eラーニングには、コスト・心理的ハードル・継続のしづらさ・現場実践へのつながりといった課題がありました。そこでahameでは、心理学にもとづいた診断・ショート動画・感情記録・対話型AIなどを組み合わせ、EQ向上をもっと身近に、低コストで取り入れやすくすることをめざしています。

「探しに行く学習」から「自然に出会う学習」へ。UI/UX刷新を伴走で実現

聞き手:今回の取り組みのひとつである、UI/UXリニューアルの背景を教えてください。

斎木さん:これまでahameはWebブラウザを前提に開発されてきましたが、テキストの視認性や操作性に改善余地があり、より直感的で使いやすいインターフェースが求められていました。

また、診断結果にもとづく「性格タイプ別おすすめコンテンツ」以外の動画は、ユーザー自身が探しに行く設計になっていたため、学習の手軽さを引き上げる必要がありました。こうした課題を解決し、直感的に学びを進められる環境を用意するために、アプリ版のリニューアルを行いました。

聞き手:UI/UXリニューアルを行っていく中で、苦労した点や工夫された点はありましたか。

斎木さん:オンボーディング設計と、感情の記録や見える化を直感的・視覚的に行える設計については、ずいぶん試行錯誤した記憶があります。

ただ、もっとも大変だったのは、対話型AI「こねっちAI」のシナリオ作成とプロンプト設計です。この領域では、Mojiさんに特にご尽力いただきました。ユーザーが思わず使いたくなるような見せ方に加え、こねっちAIとのやり取りを通じてahameがめざす「内省力(自己認知力)を高める」体験へ自然に誘導するための問いかけ、文字量、表現のトーンなど、細部に至るまで何度も改修を重ねていただきました。

テストでは、ユーザーが前向きな反応を返す場面だけでなく、そっけない返答や否定的なコメント、やや攻撃的な態度を示すような入力があった場合でも、こねっちAIが受け止め方を誤らず、心地よいやり取りや気づきにつなげられるかを検証しました。こうした実利用に近い踏み込んだ検証にも、丁寧にお付き合いいただきました。

聞き手:リニューアル後の変化やご感想はいかがでしょうか。

斎木さん:まず、どのお客様からも「面白そう」という評価をいただけていることが、大きな喜びです。情緒的な期待感を早期に得るのはそう容易なことではありません。直感的な操作性を認識してもらいながら、動画視聴の体験を通じて内容の有効性も実感してもらえる状態は、開発当初に描いていた理想の姿そのものなので、カタチになってよかったと感じています。

「心地よいやり取り」と「気づき」を両立させる、対話AIの体験設計

聞き手:リニューアルの目玉機能として対話型AI「こねっちAI」があり、開発の面でサポートさせていただきました。「こねっちAI」に求めていた品質や体験は、どのようなものだったのでしょうか。

斎木さん:こねっちAIに求めていたのは、「まず受け止めることによる安心感」「問いかけによって感情が動き、自分の状態を整理できること」「必要なときには、次の行動につながるアドバイスを届けること」という3つの体験が、自然につながっている状態です。

また、あえて生成AIに設計上の制御をかけることで、こねっちAIならではの体験価値を持たせることも大切にしました。

本人が「正解」と思いたい情報や、すぐに答えらしきものを得るだけであれば、通常の生成AIでも可能です。一方で、こねっちAIが提供したいのは、すぐに答えを出すことではなく、安心して自己開示しながら、自分の感情や考えに立ち止まるための「間」です。

ユーザーにとって、こねっちAIが単なる相談相手ではなく、自分を否定せず受け止めながら、内省を促してくれるパートナーとして認知されることをめざしました。

聞き手:リリース後のご感想はいかがですか。

斎木さん:デモを通じて、先ほどの3ステップを実際に体験いただくと、多くの方に高い興味関心を示していただける印象です。社内外での評価は高く、単なるAIチャットではなく、心理的に安全な状態で気持ちを吐露し、自分の感情や考えを整理できるパートナーとして受け止めていただけていると感じています。

固定費の削減とAIコストの可視化に、運用フェーズで向き合う

聞き手:機能面だけでなく、インフラの最適化にも取り組ませていただきました。ご相談のきっかけは何だったのでしょうか。

斎木さん:正直なところ、最初は「サーバーの固定費が高いな」という、かなり漠然とした課題感からのご相談でした。明確な要件があったわけではないのですが、ご相談するとすぐにインフラエンジニアの方をアサインいただき、現状調査から改善提案までをとてもスピーディに進めていただきました。

約4か月の最適化開発の結果、サーバーの固定費は従来比でおよそ68%の削減となりました。コスト削減だけでなく、セキュリティの強化策も並行してご提案・実装いただけたのは、非常に心強かったです。

しかも、そこで終わりではなく、現在も定期的にインフラ診断を続けていただいています。追加の削減余地が見つかるたびにすぐ施策をご提示いただけるので、本当に助かっています。

聞き手:あわせて、AIの利用状況やコストを可視化する弊社のサービス「AI評価クラウド」もご導入いただきました。こちらはいかがでしょうか。

斎木さん:AIサービスは、導入した後の利用実態やコストが見えにくくなりがちです。その点AI評価クラウドでは、期間や時間帯別の利用量、ユーザー別の活用状況、想定コストまでを一元的に把握できます。

私たちが普段行っているデジタルマーケティングのデータ分析と同じ感覚で、期間や時間帯ごとの利用傾向を確認できるので、活用が進んでいる領域や、改善が必要なポイントを見極めやすい。効果検証や運用改善の検討にもつなげやすいと感じています。

特にAI投資は技術の進化が速く、費用対効果の判断が難しい領域です。利用状況とコストを可視化し、継続的にモニタリングできる仕組みがあることで、感覚ではなくデータに基づいてAI活用を推進できる。ここに大きな価値を感じています。

"決め切れない要件"を共に磨き上げ、改修を回すー上流から伴走するAI時代の開発のあり方

聞き手:開発パートナーとして、弊社の評価を率直にお聞かせいただけますか。

斎木さん:「柔軟性」「スピード感」「先端技術への対応力」の3つをバランス良く兼ね備えている点が、Mojiさんの大きな強みだと感じています。

柔軟性という点では、こちらの仕様が曖昧な段階でも、「こうしたらどうか」「こういう実現方法があり得る」と一緒に選択肢を考えてくれるパートナーシップがあります。こねっちAIのシナリオやプロンプトは、まさに毎週のように改修を重ねていただいた領域でした。

スピード感でいえば、生成AIの実装時に、品質面はもちろんコスト面でも大きな成果を出していただきました。普通なら途中で諦めてしまうような領域にも粘り強く向き合っていただけたのは、本当にありがたかったです。

先端技術への対応力については、AIの技術革新に合わせて、過去の前提にとらわれず、設計や実装を柔軟に見直し続けられる点が大きいと感じています。1年前の仕様書や設計図を前提にし続けるのではなく、新しい技術が出れば柔軟に組み替えていける。この点にMojiさんならではの強さがあると思っています。

聞き手:ありがとうございます。弊社としても、挙げていただいた3つの点を強みとして捉えているので、そう言っていただけて大変うれしく思います。特に、「柔軟性」についてはAIに置き換えることのできない領域だと思っております。お客様へのヒアリングを入念に行わせていただき、それぞれのケースに応じたご提案をするように心がけております。最後に、今後のahameの展望についてもお聞かせいただけますでしょうか。

斎木さん:広義には、デジタル技術やAIをさらに活用し、学びを循環させるラーニングエコシステムを広げていきたいと考えています。

人が成長するには、70%の実務経験、20%の他者からの学び、10%の知識学習が大事だという「70:20:10の法則」があります。ahameで身につけたコミュニケーション力を職場で実践し、その結果を振り返ることで、個人の学びが職場での行動変容につながり、ひいては組織全体のEQやコミュニケーションの質を高めていける状態をつくりたいと考えています。

それ以上に大切にしたいのは、一人ひとりが必要なときにahameが心の支えとなり、少し気持ちが沈んだときや、人間関係に悩んだときに、「1%でも前を向いて進んでいけるかも」と思える。そうした存在価値を、ユーザーに実感してもらえるサービスにしていくことが、今後の目標です。

聞き手:ありがとうございます。UI/UXの刷新から対話型AI「こねっちAI」、さらにインフラやコストの最適化まで、ahameの成長フェーズに合わせて幅広く伴走させていただきました。これからも、斎木さんが描く「学びを循環させるラーニングエコシステム」の実現に向けて、技術力と柔軟性の両面で貢献していきたいと考えています。本日は貴重なお話をありがとうございました。

Client

株式会社日本能率協会マネジメントセンター(JMAM)

教育

2026年6月

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