AI・ロボティクスの新規事業創出を支える、関西電力の開発環境と全社AI活用

AI・ロボティクスの新規事業創出を支える、関西電力の開発環境と全社AI活用

DX推進

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CEO

大阪出身、東京都在住。LLMエンジニア、趣味は45キロの大型犬を飼っていて登山やゲームも好きです。慶應義塾在学中に起業した会社にて1500万ユーザーの日本一の車メディア事業を売却。その後サイバーエージェント、GREEなどを経てデザインエンジニアとしてスタートアップの支援を行い累計調達額100億を達成する。その経験を経てMojiを創業。

関西電力では、全社員へのChatGPTの提供など、業務における生成AIの活用を進めています。イノベーション推進本部 AI・ロボティクス事業創出グループでは、AIやロボティクスを活用した新規事業の創出に向けて、エンジニアが技術力を発揮しやすい開発環境の整備にも取り組んできました。

開発環境や端末の整備、全社でのAI活用の状況、そしてAI・ロボティクスを活用して今後実現したいことについて、担当のお二人に伺いました。

※本記事で紹介する開発環境(開発端末・機器等)は、イノベーション推進本部 AI・ロボティクス事業創出グループにおける取り組みであり、関西電力全社共通の開発環境を示すものではありません。

事例概要

  • 社名:関西電力株式会社
  • 部署:イノベーション推進本部 AI・ロボティクス事業創出グループ
  • 従業員数:8,336名(2026年3月末時点)
  • 取材テーマ:AI・ロボティクスを活用した新規事業創出を支える開発環境と、関西電力における生成AI活用
  • インタビュイー:同グループ 高元さん・関さん

※本記事は、取材の中で伺った関西電力社内の取り組みを紹介するものです。Mojiによる支援内容とは異なります。

背景・課題

  • AI・ITを活用した新規事業の創出に向けて、競争力の源泉となる技術やノウハウを社内にも蓄積していく必要があった
  • エンジニアがAIやロボティクスの技術検証・開発をスピーディーに進められる環境を整える必要があった
  • 全社で生成AIを活用できる環境が整う中で、社員一人ひとりの業務での活用をさらに広げていく必要があった

取り組みのポイント

  • 会社が承認した生成AIを開発に活用できる環境を整備し、必要に応じて追加のツールも所定の手続きを経て導入できる体制を構築
  • 開発内容や業務上の必要性に応じて、エンジニアが適切な開発端末や機器を利用できる環境を整備
  • 全社員にChatGPTを提供し、情報検索やアイデアの壁打ちなど、さまざまな業務で活用

AI・ロボティクスを活用した新規事業を、技術面からもつくれる組織へ

聞き手:はじめに、チームの成り立ちと、取り組んでいることを教えてください。

高元さん:私たちのチームは、2025年7月よりAIやロボティクスを活用した新規事業の検討を進めてきました。その後、2026年4月に公表した「関西電力グループ経営計画2026」を受けて現在の組織(AI・ロボティクス事業創出グループ)に至ったところです。現組織では複数の取り組みを進めていますが、その一つとして、空間情報を活用した新規事業を検討しています。

現時点では、どのような顧客課題があり、そこにどのような事業機会があるのかを探索している段階です。

※空間情報を活用した2つのMVP(アナログメーター解析・EV充電器の適地選定)については、別記事で紹介します。

関西電力 イノベーション推進本部 AI・ロボティクス事業創出グループ 高元さん

エンジニアが開発に集中できる環境を、この1年で整備

聞き手:AIを使った開発では、「使いたいツールを利用できない」「利用量に制約がある」といった話も聞きます。関西電力ではいかがですか。

関さん:私たちのチームでは、新しい技術の探索、開発、検証等をスムーズに進められるような開発環境を順次整備しています。

現在は、会社が承認した生成AIを開発に活用できる環境が提供されています。また、開発上の必要性から新たに利用したいツールがある場合も、用途や利用環境、セキュリティ面などの検討を経て、導入是非を検討しています。

2025年7月にエンジニア組織が立ち上がって以降、生成AIだけでなくハードウェアも含め、エンジニアが必要な技術を検証し、開発を進めやすい環境になってきたと感じています。

聞き手:エンジニアが新しい技術を試しやすい環境が整ってきているんですね。

関さん:そうですね。エンジニアとしては、開発に取り組みやすい環境が整っていると思います。

開発内容に応じて、必要な端末や機器を選択

聞き手:開発端末についても、業務に応じて選べるのでしょうか。

関さん:はい。開発内容に応じて、MacやWindows PCなどを使い分けています。各エンジニアが希望する開発環境を可能な限り整備できるようにしています。

追加で機器が必要になった場合も、開発に必要なスペックや用途を明確にしたうえで、順次環境を整えるようにしています。

聞き手:必要な機器を調達するまでには、どれくらいかかりますか。

関さん:ケースバイケースですが、汎用機器であれば、1ヶ月を目途に確保できることが多い印象です。

関西電力 イノベーション推進本部 AI・ロボティクス事業創出グループ 関さん

全社員にChatGPT。情報を「探す」時間の削減にも活用

聞き手:エンジニア以外も含めると、関西電力では生成AIをどのように活用しているのでしょうか。

高元さん:関西電力では、全社員がChatGPTを利用できる環境が整備されています。これまでのところ、社内情報の検索をはじめ、さまざまな活用が広がっています。

関さん:社内情報の検索は便利です。例えば、書類の申請や手続きをするときに、「どう進めればいいのか」「どのマニュアルを見ればいいのか」が分からないことがあります。

そうしたときにChatGPTを活用すると、社内マニュアルなどから必要な情報を探すことができます。多くの資料の中から必要な情報にたどり着くまでの時間を短縮できるので、とても便利です。ほかにも、アイデアを整理したり、考えを深めたりするための壁打ちなど、日常的な業務でも活用しています。

聞き手:全社員が使える環境があっても、活用の度合いには違いがありそうですね。

高元さん:そうですね。活用状況には個人差があると思います。ただ、より多くの社員がそれぞれの業務で活用できるように、研修動画などのコンテンツも提供されており、活用を広げるための取り組みが続けられています。

AI・ロボティクスで、インフラを支える現場の課題を解決する

聞き手:最後に、今後の展望を聞かせてください。

高元さん:弊社グループは、発電・送配電をはじめとする多くのインフラを24時間365日運用しています。長年にわたり、安定供給を支えるために設備を運用・保守してきた現場の知見や、実際のインフラを運用していること自体が、関西電力グループの大きな強みの一つだと考えています。

一方で、今後は少子高齢化や労働人口の減少によって、これまで人が担ってきた現場の運用や保守管理を、同じやり方で続けることが難しくなる領域も増えてくると思います。

そこで、AIやロボティクス、空間情報といった新しい技術を活用して、人がすべての場所を確認するのではなく、本当に確認や対応が必要な場所を効率的に把握できるようにする。そうすることで、インフラをはじめとした現場のモニタリングや維持管理を効率化・高度化するサービスをつくっていきたいと考えています。

そのためには、事業を考えるだけではなく、技術についても自分たちで理解し、実際に形にしていく力が必要です。事業開発とエンジニアリングが一体となって、新しいサービスを生み出せる組織にしていきたいと思っています。

関さん:私も、今後人手不足が深刻になる中で、新たな人材を確保することが難しくなり、現場で働く一人ひとりが、これまで以上に多くの業務を担わなければならない領域が増えていくと考えています。

そうした領域でも、AIやロボティクスを活用することで、人が担っている業務の一部を効率化・省力化し、限られた人員を、人だからこそ担うべき業務やより重要な業務に振り向けられるようにする。そうすることで、現場で働く人の負担を減らし、より働きやすい環境をつくることができるのではないかと考えています。

技術を導入すること自体を目的にするのではなく、実際に社会や現場で使われ、そこで働く人の課題解決につながるものをつくる。それが、今、関西電力で自分が取り組みたいことです。

関西電力のAI・ロボティクス事業創出グループのインタビュー風景

聞き手:本日は貴重なお話をありがとうございました。

Client

関西電力株式会社
エネルギー・インフラ
2026年10月

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